大量破壊兵器 2013 9 1

書名 核がなくならない7つの理由
著者 春原 剛  新潮新書

 冷戦時代、アメリカとソ連は、
お互いを絶滅させるほどの大量の核兵器を保有したことで、
結果的には、「核兵器は使えない兵器」となりました。
 これで、事実上、核の時代は終わったかのように思えましたが、
実は、別の形で、核の時代が始まったのです。
 たとえば、わかりやすい例が、朝鮮半島です。
北朝鮮は、三度目の核実験を成功させて、
事実上の核兵器保有国になりました。
 北朝鮮は、こうした核兵器を絶対に放棄しないでしょう。
それには、理由があるのです。
 通常兵力においては、韓国の方が圧倒的に強いのです。
そのため、こうした戦力差を解消するために、
北朝鮮は、核兵器を開発したのです。
 北朝鮮の核開発は、1990年代から始まりましたが、
こうした問題に関しては、星の数ほど国際会議が開催されましたが、
結局、これは、北朝鮮にとっては、時間稼ぎとなりました。
 核拡散は止まらないと思います。
強権国家や独裁国家は、北朝鮮を見て、
どんなに国際的な非難を浴びても、
強い意志があれば、核兵器は開発できると思ったでしょう。
・・・・・・・・・・
「永田町から首都の壊滅を見ることになるとは。
これが1945年以来、平和を希求してきた日本の結末なのか!」
 地下鉄の通路を駆け上がって急いで地上へ出た、
政治部記者の平岩は絶句した・・・・・。
国民保護警報が鳴り始めてから、わずか1分後だった。
 20キロトンの核ミサイルが、
赤坂にある全日空ホテルの上空600mで爆発したのである。
 イージス艦は、20発のミサイル発射を確認。
そのうち、10発が弾道ミサイル。
残り10発のミサイルは、巡航ミサイルで、
日本海に展開していた日米の艦船に向かった。
 最高高度300kmから放物線を描いて落下する核弾頭を含む再突入体は、
速度をぐんぐんと増し、音速の8倍となって大気圏に突入してきた。
 市谷にいた部隊は、天空から高速で落下してくる10個の再突入体へ向けて、
16発の迎撃ミサイルを、次々に発射した。
 しかし、もととも個々の命中率が10%以下と低い上に、
敵の弾道ミサイルが近距離から発射されているために、
迎撃の時間が極端に限られていること、
さらに多数のおとりの再突入体のために、
自衛隊の迎撃は失敗に終わった。
(「東京に弾道ミサイル! 核災害で生き残れる人、生き残れない人」(高田純)から引用)
























































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